時代は、閉塞感に満ちています。方向性は定まらず、どこに向かうのか、何をすべきなのかが、よくわかっていません。
そんな時、どうすれば良いのか?
2006年の年末、こんなテレビの番組を見ました。
ある地方都市では、街の中心地の混雑を緩和するため、公共施設を街のあちらこちらに分散し移転・建設した。何年も経過した後、市民が、何か公共の用事を済ませようとすると、施設があちこちにあるため、大変不便になった。そして、街の不便さを嫌い、人口の流出が止まらず、街は危機に瀕している。
ところがある街では、その逆のことをしていた。主要な公共施設を街の中心に集めた。高齢化した住民でも、皆歩いて通える距離なので、大変評判が良く、そこに移り住む人も多い。
なぜこんなことになったのか?
実は、後者の例では、市長には街を改善するための計画図が最初からあったのではない。その代わり、住民が暮らしやすい街になるためにはどうしたら良いのかを、住民に聞いた。聞いて、聞いて、聞いたのだ。そして、考えた。だから今の街は住民に喜ばれ、さらには他所からも人がやってくる。
その街の噂は広まって、他の都市の役所からも視察が来るようになった。彼らは、街の作りが「コンパクト」なのにビックリする。そして、コンパクトな街づくりに想いを馳せる。
けれど、コンパクトな街づくりのことを考えるのは間違ったアプローチである。
大切なのは、その都市、その街に合った本当に必要な環境を整えること。それは、具体的に街をどのようにするか、という計画そのものではない。手始めにすべきことは、住民の声を真剣に聞くことです。
まずは、情報のマネジメントから。先入観や思い込みを排し、現状をきちんと見つめ、現実に向き合うことで新しい発想が生まれる。
今こそ時代は「発想法」を求めています。
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